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エデンの乳房

『エデンの乳房』 中島みゆき


私たちが寄ってたかって この星のことを
宝島ではないと哄笑(わら)っているのに
私たちが寄ってたかって この星のことを
エデンではないと哄笑っているのに
与えることしか知らない この星は
五十億の餓鬼に乳房を与え
ラストオーダーを切り出しかねている
ここが無限の宝島だったなら
私たちは奪い合う筈がないのに
ここが馨しきエデンだったなら
私たちは寂しみ合う筈がないのに

    ■

やせた星よ
祝福されし児等と
巫女たちの唇は動き続けても
幸福のための【正しい】略奪は続き
幸福の数だけ不幸は対在する
その理由(わけ)を
問おうにも やせた星よ
己れの全てを与えるくせに
ただ一つ
己れを守る者だけを持たない
その生は未だ幼く
その生は永劫ならず
私たちは明日をも知れぬ

    ■

垂乳根(たらちね)の星よ
火の衣を失い 水の衣を失う日に
五十億の赤児たちは 愛情の糸を織りなし
最後の衣を着せかけうるだろうか
赤児たちは幾たびも幾たびも
悲しみと同じ産声をあげながら
この エデンならぬ星に生まれ
おぼつかない糸を今日も紡ぐ
私たちは幾たびも幾たびも
この エデンならぬ星に生まれ
おぼつかない糸を今日も紡ぐ





この詩は、1987年朝日新聞に載せられたものであるという。

メロディーはついていない。


私は『片想い』という彼女の著書でこの詩に出会い
とんでもない衝撃を覚えてしまった。

“地震前”のことである。


そして、“地震後”になった。
またこの詩を読んでみた。

言葉の全てがリアルに、かなりの近距離に迫ってきた。
恐怖すら感じるくらいに。


調べると、この詩は 高校の教科書にも載ったことがあるらしい。
もし自分が高校生の頃にこの詩を読んだのならば
どんな感想を持っただろうか。


この詩が発表された頃。
日本はパーパーでポーポーなバブルの全盛期。

そんな時に、最後の女神の目線はどこに向いていたのだろう。


あなたは、いまこの詩を読んで どんな気持ちになりましたか?

少しでも多くの方にこの詩に出会ってほしくて
載せさせていただきました。


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| miss.M | 21:26 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

千代に八千代に

おはようございます。
撫子さんに迎合するわけではないです。
君が代の君を天皇陛下と読まないで、すべての君達と捉えるとこの歌の素晴らしさが理解できます。
子供たちのそのまた子供たちのずっと続く未来の子供たちのために、この世界が穏やかで清らかで安らかであってほしいとそう思います。
どうすればいいのか。
その答えがわからないのですが。

| 陸敵軍鶏児 | 2011/07/07 08:00 | URL | ≫ EDIT

言霊

何回もこの詩を読み返しました。深くていかに人間がおろかなもんなんだろう、生かせれていることを感じさせられる詩です。私もたくさんの歌は知りませんが、みゆき嬢好きになりそうです。

| amakusa46 | 2011/07/07 08:03 | URL | ≫ EDIT

>陸敵軍鶏児さん

続けること。続くこと。
一見簡単なようで、一番難しいことですよね。

この世は無常で、変化し続けるから…。

どうすればいいのでしょう?
一生のうちに答が見つかるのでしょうか。


>amakusa46さん

わぁ!そう言っていただけて嬉しいです!
この詩を紹介した甲斐がありました。

中島みゆきさんは素晴らしいです。
(ちなみに彼女はミッション系の大学に通っていたのですよ)
みゆきの歌の数だけ、人生がある、というか。
この機会にぜひ深く聴いちゃってくださいな~^0^

| Rin | 2011/07/12 21:53 | URL | ≫ EDIT















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